散歩道の花

去年も書きましたが、あれだけあった公園のクロッカスは今年は完全に消えてしまっているようでした。まだ緑もない芝生が続いているだけです。そんな時にＣ家でこのクロッカスを見つけました。鉢植え、株も若いのかしっかりとしています。
クロッカスについては、昨年４月歩道の花に色々書いているのでそれも見て頂くとして今回はクロッカスにまつわるお話を載せてみます。
いくつかの神話のような話があります｡クロッカスは若い高貴な青年でした。女神の Smilaxシミラックスを激しく恋していたのですが、実らず神が哀れに思い同じ名前の花に変えたと言う物語。クロッカスは高尚な気品を持った青年でシミラックスは羊飼いの若い少女でお互い激しい恋に陥った。しかし、神は二人の結婚を認めなかった｡失望したクロッカスは自殺してしまう｡シミラックスは泣き続けた。これを見た花の女神が二人を今後お互い恋などに陥ることのない無関係な植物に変えた。クロッカスはその名の花クロッカスに、そしてシミラックスはブドウに変えたと言う物語。また、逆に酔ったシミラックスに言い寄られ、クロッカスは逃げ回った。そして神になんとかしてくれるようにたのように訴えた。神はそれぞれを無縁の植物に変えた。クロッカスはその名の花に、シミラックスは永遠に他の植物に絡まって生きる棘だらけのつる植物に変えたと言う話。また別の物語では、クロッカスはギリシャ神話の神ヘルメスの友人で、円盤投げのゲーム中に事故で死ぬ。ヘルメスは気が動転してしまう。そこで彼と花の女神クロリスはクロッカスをその名なの花に変えた。」などなど様ざまな恋にまつわる物語が紹介されています。ここに登場するクロッカスは、春咲きのクロッカスではなく古くから知られている秋咲きのクロッカスでサフランと呼ばれている黄色い花が咲くものでしょう。リンネが１７５３年にCrocus sativus L. として報告したものです。また、バレンタインデーと関係があると言う話も紹介されています。聖バレンタインが盲目の牢番の娘に花を贈った。彼女が添えられていたメモを開いたときの目が再び見えるようになった。そして彼女が見た花はサフランだったという話も伝えられています。アヤメ科(2018.04.03)
1)Herbert, William ：Edwards's Bot. Reg. 29(Misc.): 83. 1843 (（Crocus chrysanthus (Herb.) Herb.）
2）Weston, Richard ：Bot. Univ. 2: 237. 1771.（ Crocus flavus Weston )
3）Hill, John :Veg. Syst. 10: 1, fig. 1 a-c. 1765（Crocus vernus (L.) Hill)
4)Linnaeus, Carl von : Species Plantarum 1: 36. 1753. ( Crocus sativus L. )