今回の切手はアメリカで１９９２年７月２４日に発行されたアメリカに自生する５０種類の野生の花（wildflowers)を１枚の切手シートにした記念切手の中の一つである。この切手に描かれた花は、英語名Bearberryで、和名はクマコケモモ、或いはツルコケモモである。この植物は北半球の比較的緯度の高い所か高山の湿地に自生しているツツジ科の植物、花の色は白で、赤い実は食用になる。また葉はハーブや生薬として利用されて来た。アメリカの原住民の間では葉を煙草と混ぜてくゆらせ、儀式にも用いられたそうである。別名ウバウルシ、またはウワウルシと言うが、これはBear grapeと言う意味で、この実を熊が食べる事、または独特な不快な臭いが熊にしか合わないと言う事から命名されたらしい。日本では高山の岩場や礫地に仲間のコケモモがよく見られる。
アメリカでは１９２０年に花の切手が発行されたのが初めてで以後４８年、５８年と発行があったが、花の切手はどちらかと言うと少ない様に思える。そんな中、この野生の花シリーズが出たのは興味深い。
切手の大きさは、横約２５ミリ、縦約４１ミリの２９セント記念切手である。