この位の時代の大統領になると我々の記憶にも浮かんでくる。ヘルベルト・フーバーは幼い頃両親を亡くし孤児として育った。大学卒業後鉱山技師として様々な国で活躍し大成功を納めた。しかし彼を有名にしたのは第一次世界大戦の時で、彼はヨーロッパから１２万人と言う多くのアメリカ人の安全な引き揚げに尽力し、更にベルギーが戦禍のため食糧不足に陥った時、戦争犠牲者に対し果敢な食糧援助を実施、多くの人を救済、更に戦後は敵国であったドイツに対しても援助の手を差し伸べた。その後アメリカの食糧局長等を務めた後、商務長官になった。そして１９２９年に３１代大統領に就任した。折しも株価暴落に始まった経済恐慌、大統領としてその対策に尽力したが、有効な対策を打つ事が出来ずヨーロッパの子供達は救えたのにアメリカの子供達を救えないのかと言う様な批判のもあった中、１９３３年１期で職を退いた。
しかし、彼の力は第二次大戦後の敗戦国への食糧援助に発揮された、１９４６年、日本を訪れた彼は危機的な日本食糧事情を見て、食糧援助を進言し、アメリカの政府資金による、所謂ガリオア資金によって食糧を買い付け日本への援助を実施させた。その後アメリカ国内では当時の大統領トルーマンによって任命され、行政改革のための委員会、フーバー委員会の長としても活躍した。
この切手は彼の死の翌年１９６５年８月彼の誕生の地アイオワ州・WEST Branchで発行された。デザインは、Louis Fabian Bachrach Srが撮影した彼の写真からNorman Todhunterがデザインしたものである。
切手の大きさ横２６ミリ、縦４０ミリ。５セントの普通切手である。