第７代大統領以降の各大統領をデザインした切手の多くは、１９３６年に発行されているが、残念ながら私は持っていない。これらの大統領の中には第９代のハリソンの様に就任後１ヶ月で病死した大統領や離職後１ドルの金にも不自由した大統領、キュウリを食べ過ぎて病気になって亡くなった大統領等々色々なエピソードを持つ大統領がいた。そして１６代は、既に紹介したリーンカーン。その後、この２６代のセオドール・ルーズベルト大統領まで飛ぶ。
テディと呼ばれたセオドール・ルーズベルトは、その伝記を読むと非常に魅力的な大統領である。前マッキンリー大統領が１９０１年９月、銃で撃たれ死亡し、後を継いで副大統領から昇格した。その後１９０９年まで大統領を務めた、歴史家、自然保護主義者、或いは米西戦争にも参加し、英雄と讃えられた人でもある。数々の業績を残すが、日本との関係では日露戦争で両国の調停を行い戦争を終結させた事は我々の記憶にある。１９０６年ノーベル平和賞を受賞している。また有名な話として１９１２年１０月演説中に銃で撃たれ重傷を負ったが、９０分に及ぶ演説を終え、聴衆に向かって最後に「私の演説はご理解頂けたでしょうか。何しろ今銃で撃たれてしまったもので。」と言ったそうだ。胸のポケットの眼鏡ケースと演説原稿のお陰で致命傷にならずにすんだものの弾は,摘出困難と言う事で１９１９年彼が死ぬまで体内に残ってしまったと言う。
切手にデザインされた大統領の肖像は、ハンガリー生まれの英国人画家Philip de Laszloによって１９０８年に描かれた油絵の写真がら採られた。この絵を描いた時、 de Laszloは、大統領が訪問客と喋っていて欲しいと言って生き生きとした大統領の姿を描こうとしたそうである。現在この絵はスミソニアン協会の国立肖像画ギャラリーにある。
切手の大きさ横２１ミリ、縦２５ミリ。６セントの普通切手である。