前回菊１銭５厘切手を載せました。この菊切手のデザインは、菊の紋章の上周に大日本帝国郵便と右から書かれ、下側に金額、模様には、上端両側に奈良時代から平安時代に使われた駅鈴がそれぞれ１個ずつ描かれている。駅鈴は、官吏が駅馬を利用して移動する時に公用の証として朝廷から渡された鈴である。これを郵便のイメージと重ね合わせてデザインに採用されたものだと思う。
今回の１銭切手は郵便葉書として印刷されたもので、この様な官製葉書は、既に１８７３年１２月１日から発売されていた。
この葉書の消印は、明治３２年３月３０日で、４月１日に１銭５厘に値上げされる事になっていたので、その２日前に投函されたもの。大変珍しいものと思う。葉書は、祖父宛で、その１０日ほど前に私の父が誕生した事へのお祝いの言葉が書かれていた。
なお葉書に印刷されている１銭切手のデザインは、値上げの日、４月１日に発行された切手・１銭菊切手と同じである。