散歩道の花

私にとっては幼なじみの花と言ってもいいタチアオイは、私のホームページには何回か登場しています。前回は２０１５年の６月末でした。その中でこんなことを書いています。「最初に報告されたのがAlcea rosea L.としてで、リンネが１７５３年に同定したものです。しかし、これは、スペインの植物学者Cavanilles(1745-1804)によって、１７８６年にAlthaea rosea (L.) Cav.に改められました。この結果は、（リンネも認めたらしく）リンネの｢種の種類1800年」にも載っています。しかし、これらの二つの名前は今も同じものとして使われています。」と。一方、タチアオイは、Althaea pallidaとAlthaea setosaのハイブリッドだと言う説があります。ウイキペディアには「現在はビロードアオイ属（Althaea）のトルコ原産種と東ヨーロッパ原産種との雑種（Althaea setosa ×Althaea pallida）とする説が有力である。」と書かれています。しかし､問題はそう簡単ではありません。TropicosではAlthaea setosa は、現在Alcea setosaのsyonymとされていますし、Althaea pallidaもAlcea pallidaのsynonymになっています。従ってAlthaea setosa ×Althaea pallidaは、Alcea setosa XAlcea pallida1と言う事になります。しかし、Alcea属（タチアオイ属））もAlthaea属）（ビロードアオイ属もリンネが、１７５３年に報告したものであり、Tropicosでは、別の属としていますが、その他の分類ではビロードアオイ属にタチアオイ属が含まれると考えている様に思えます。どう考えたらよいのか素人の私にはよく分かりません。アオイ科(2017.07.11)
1)Linnaeus, Carl von ：Species Plantarum 2: 687. 1753.(Alcea rosea L.)
2)Cavanilles, Antonio Jose (Joseph): Monadelphiae Classis Dissertationes Decem 2: 91. 1786.(Althaea rosea (L.) Cav.)
3) Linnaeus, Carl von:Sp. Pl. 3: 773 1800　註　 p773を開いて下さい
4)Boissier, Pierre Edmond : Diagnoses Plantarum Orientalium Novarum 8: 107. 1849. （Althaea setosa Boiss. ）
5)3Alefeld, Friedrich Georg Christoph :Oesterreichische Botanische Zeitschrift 12: 255. 1862. (項目14：Alcea setosa (Boiss.) Alef.・項目15:Alcea pallida)