散歩道の花

ノースポールが咲く季節になりました。この頃は栽培している方も、わが散歩道に関する限り随分少なくなって今年はまだ1か所でだけ咲いています。さてノースポールについて昨年の２月にその分類について書きました。その時はLeucanthemum paludosum (Poir.) PomelとLeucanthemum paludosum (Poir.) Bonnet & Barratteとの関係がはっきりしないまま、これらはみなsynonymとして学名はモランセマム・Mauranthemum paludosum (Poir.) Vogt & Oberprielerと書きました。
今年も同じことで迷っていましたが、Leucanthemum paludosum (Poir.) だけがMauranthemum paludosum のsynonymでした。そして後者のLeucanthemum paludosum (Poir.) Bonnet & Barratteが園芸種ノースポールの親だと分かりました。名がよく似たLeucanthemum paludosumに二つの種があったので私が混乱してしまったのです。
Leucanthemum paludosum (Poir.) Bonnet & Barratteは１８９６年にフランスの植物学者)Bonnet(1848-1922)やBarratte(1857-1920)らによって最初、同じくフランスの植物学者のPoiret（1755-1834)がChrysanthemum paludosumとして１７８９年に報告したものを見直して報告し、受理されています。スペインやポルトガルが原産地で日本には１９７０年頃に渡来したと書かれていました。 Mauranthemum paludosumとLeucanthemum paludosumはネットに載っている写真を見る限りそっくりで見分けがつきません。しかし、Mauranthemumはモロッコ　チュニジア、アルジェリアなどが原産地のようです。去年の２月の記載は誤っていたことになりこれで去年よりはすっきりしました。従ってノースポールの学名はLeucanthemum paludosum (Poir.) Bonnet & Barratte（レウンカンテムム）が正しいことになります。キク科(2017.01.24)
1)Bonnet, Edmond Barratte, Jean François Gustave ：Exploration Scientifique de la Tunisie. Catalogue Raisonné des Plantes Vasculaires de la Tunisie 221. 1896. （Leucanthemum paludosum (Poir.) Bonnet & Barratte ）
2)Poiret, Jean Louis Marie :Voyage en Barbarie 2: 241. 1789. ( Chrysanthemum paludosum Poir.)