散歩道の花

この花も毎年の様に載せてきました。サンゴバナです。原産地はブラジルの東側、大西洋に面した亜熱帯の樹林地帯だそうです。学名はJusticia carnea Lindl.でイギリスの植物学者リンドリーが１８３１年に報告しています。リンドリーがこの分類に使用た標本は、当時ブラジルと英国は奴隷解放問題などについて交渉中でした。その交渉に当たったのが英国のロバート・ゴードン閣下でした。交渉は１８２６年から始まっていました。この間ゴードンは１８２７年にサンゴバナのサンプルを初めて英国の園芸協会宛に送りました。このサンプルをリンドリーが使ったのです。また園芸用にはグラスゴーの植物園がブラジルからこの植物を輸入し１８３４年には花も咲いた様です。栽培には温室が必要で手厚い管理の下で栽培が進められていた事が記されています。日本でも冬は室内に置く必要があります。別名はフラミンゴプランツ。磯野氏の渡来年表によれば日本には嘉永６年１８５３年には長崎に渡来していた事が分かります。当時はイスデシア・カンネアと呼ばれていたそうです。なお属名のJusticiaは、スコットランドの植物学者James Justice(1698-1765)に献名されたものです。キツネノマゴ科(2016.09.05)
1)Lindley, John ：Edwards's Botanical Register 17: , pl. 1397. 1831（Justicia carnea Lindl.）p1397