散歩道の花

今年は、散歩道でよく出会うご婦人から頂いたモミジアオイの種を４月の終わり頃撒いてみた。殆どが発芽したので１０株以上庭のあちらこちらに植えてみました。他所ではもう開花しているというのに種子から育った苗はまだ３０センチ程の草丈にやっとなったばかりです。しかし、ようやくこの花らしい葉も出始めています。元々は我が家には１株あり、殆ど毎年花も咲いていたのですが、去年枯れてしまい、是非欲しいと思っていました。朱赤のきれいな花、あの花の色が魅力です。
この花は、アメリカ東部マサチューセッツからフロリダにかけてが原産地です。アメリカの園芸家で採集家、植物学者だったJohn Bartram（バートラム1699-1777)が息子のWilliam(1733-1823)と一緒に１７６５年から６６年にかけてフロリダ州の植物調査、採集を行った時に、この花を発見しました。そして１７６８年の冬に英国の商人で植物学者だったPeterCollinson（コリンソン1694-1768)の所へ送られました。コリンソンは、植物学者として或いは商人としてアメリカとの取引を行っており、ジョン・バートラムにも資金援助をしていました。それらの活動を通して様々な珍しい新しい花々を手に入れ英国の貴族に紹介すると言うような事もやっていたようです。この花の学名は Hibiscus coccineus(Medik.) Walterとアメリカの植物学者植物学者ウオルター(1740-1789)が１７８８年に報告しています。しかし、Tropicosによれば、これはその１年前にスペインの植物学者ホセ・カヴァニレス1745-1804)によって報告されたMalvaviscus arboreus Cavのsynonymだと記されています。これは花弁が開かないのが特徴で、ヒメブッソウゲと呼ばれている花で個人的にはモミジアオイがこれのsynonymには思えません。アオイ科(2016.08.08)
1)Walter, Thomas ; Flora Caroliniana, secundum . 177. 1788.(Hibiscus coccineus Walter)項目4
2)Cavanilles, Antonio Jose:Monadelphiae Classis Dissertationes Decem 3: 131-132. 1787. ( Malvaviscus arboreus Cav.