散歩道の花

このサントリー社が開発したミリオンベルで有名なペチュニアに似た花はカリブラコアです。原産地は、南アメリカでスペインの植物学者Cervantes（セルバンテス1755-1829)によって１８２５年に初めてカリブラコア属が報告されました。彼は属名にメキシコの植物学者で薬学者だった Vicente (Vincente) de Antonio de la Cal y Bracho（カリ　ブランコ1764-1833)の栄誉をたたえて献名しました。この頃にはカリブラコアは既にヨーロッパに持ち込まれていました。しかし、なかなか園芸花として定着していませんでした。これを打ち破ったのが新しい園芸種ミリオンベルです。この園芸種は１９９０年に導入されました。今では世界各地で栽培されるようになっています。この園芸種の開発に当たって幾つかの原種が使用されたのですが、それがどれだったのかはっきりしないと言う考えられないことも起きています。ある記載によると園芸種の育種にC.calycinaC.linearisC.sellowaina等が使われている事も書かれていました。これらの原種の写真を見るとミリオンベルによく似ていました。この辺りの原種が使われたのでしょう。また、カリブラコアがペチュニアに極めてよく似ていることから果たして独立した属として扱って良いものかも議論がありましたが、遺伝子解析などによって２００５年頃に独立した属とする事が決定しています。ナス科(2016.07.26)
1)Wijsman, H. J. W. :Acta Botanica Neerlandica 39: 101. 1990.(Calibrachoa calycina (Sendtn.) Wijsman)
2)Wijsman, H. J. W. : Acta Botanica Neerlandica 39(1): 102. 1990.(Calibrachoa linearis (Hook Wijsman)
3)Wijsman, H. J. W. :Acta Botanica Neerlandica 39: 102. 1990.(Calibrachoa sellowiana (Sendtn.) Wijsman)