散歩道の花

毎年今頃登場している花です。最近数年は、春沢山の種類の花が咲く時載せていた臨時の花のページに載せていました。この花を最初に見たのは海外出張の休日を利用してスイス側からドイツ南部の黒い森へ観光に行った帰り、休憩に立ち寄った或る場所、木立の中でした。一面に真っ白になる位この花が咲いていたのを今でもありありと思い浮かべる事が出来ます。花は北上し、５月になるとフィンランドでも林の中に一面に咲きます。１７５３年にこの花を最初に分類同定したリンネも記しているようにこの花の故郷はヨーロッパです。日本では、ヤブイチゲと言う別名もありますが、この花のイメージには全く相応しくない名前です。英語名はwood anemone、 windflower、thimbleweed、smell fox等があるそうです。thimbleweedは、種実の形が
はめ輪に似ている事が名の由来です。smell foxは葉にジャコウの様な香りがあり、狐がそれを嗅ぐ事に由来しているらしいです。葉を匂ってみましたがかすかに特殊な香りがありました。またこの植物にもプロトアネモニンと言う有毒物質が含まれていてこれに触れると皮膚障害や、摂取した時には胃腸障害や下痢を起こすそうです。最近は、薄紫のソライロヤブイチゲ等色変わり種など園芸品種も作られ流通しているようです。ドイツ・サンスーシ公園で見たアネモネ・ネモローザの仲間も参考に見て下さい。キンポウゲ科(2016.04.13)
1)Linnaeus, Carl von : Species Plantarum 1: 541. 1753. (Anemone nemorosa L.) 項目15