この切手は、赤地に白抜きで書いてあるキリル文字を判読すると旧ユーゴスラビアの切手である事が分かった。しかも,その下部に小さな赤色文字でCOURVOISIE S.Aと言う記述がある。COURVOISIE S.Aはスイスの会社で、スイスを初めユーゴースラビア、サンマリノなど世界８８ヶ国の切手をそれぞれの国に替わって印刷している。ここで印刷された切手にはこの様に会社名が入るのが普通であるが、独特の着色繊維を漉き込んだ紙を使用しているので見る人によってはすぐに判別出来るそうだ。この切手もその一つである事が分かる。その他切手にはデザインされた植物の学名が書かれている。これだけの情報があったが、インターネットでこの切手に関するはっきりとした情報は探せなかった。
学名Rhamnus frangulaなる植物は、和名ではセイヨウイソノキと言って、ヨーロッパ、西アジアからアフリカ北部に自生するクロウメモドキ科の植物である。成長は早く、樹高は５メートルにもなると言う。５月頃緑がかった白い花を咲かし、実は９月頃までに赤く熟してくる。この切手にも赤い実をつけた小枝が描かれている。なおこの樹皮を乾燥したものは生薬として使えるそうだ。
大きさは、横約２５ミリ、縦約３６ミリの１５ディナール切手。なお、１９９６年ベラルーシでこれに似たデザインの切手も発行されている。