暫く続けてきた昔の切手シリーズもこのオーストリア切手で終えたいと思う。
この切手は、オーストリア皇帝・ハンガリー王フランツ・ヨーゼフI世在位６０周年を記念して１９０８年に発行された王の肖像をデザインに採り入れた切手である。
フランツ・ヨーゼフI世は１９１６年まで６８年にわたって王に留まっていた。王妃はあの自由奔放で知られた美しいシシーこと・バイエルン一族の王女エリザベートであった。彼女は、王室の生活に馴染めずよく旅をした。そしてジュネーブで１８９８年暗殺されたが、王の周りには色々な不幸な事件が起きている。長男ルドルフはマイヤーリンクで１８８９年心中自殺、その場所に皇太子のため建てられた教会を訪れた事があるが、やつれたエリザベートもよく訪れたと聞いた。そして王は、甥を王位継承者としたが、その甥も１９１４年サラエボで暗殺される。これが引き金になって第一次世界大戦が勃発、敗戦、ハプスブルグ家も終焉を迎える。
ウイーンのシェーンブルク宮殿は、王が愛した宮殿であり、ブタペストにある王宮はエリザベートが好んで住んだ宮殿だと聞いた。ペスト側には彼女がよく通ったと言うカフェも残っている。
切手は、横約２４ミリ、縦約２９ミリ、やや大きめの５，１０へラー切手で、１枚は、ウイーンへ出張した祖父が１９０９年に、父に送った絵葉書に貼ってあった。