旅で見た花（２００５年５月)

ウイーンの森の花

　スイスの東側に小さなリヒテンシュタインと言う国がある。ここの王様は、非常に沢山の資産をドイツやオーストリーのあちらこちらに持っているそうで、ウイーンの森にも素晴らしい古城、リヒテンシュタイン城を所有しておられる。
ウイーンの森は、ウイーン郊外に広がる多数の小高い山々や丘陵のある緑地地帯で、多くの遊歩道も整備されウイーン子達の憩いの場となっている。
私達も、この森でこの城までほんの短い散歩をした。なだらかに登る小道、その両側には芽出しの淡い緑を着飾った木々が続く。やがて城が見えてきた。トルコ軍の攻略で廃墟となって再建されたとは言え、１１３６年に建てられた古城。海抜３００メートルに位置し、城の塔からの眺望は素晴らしいらしい。
木々の下草に混じって山野草が咲いていた。サンスーシーで見たアネモネ・ネモローザ、アネモネ・ラナンクロイデスもあったが、ここでの感激は、紫色をしたユキワリソウとの出会い。実は、野に咲くユキワリソウをので見たのは初めてであった。更に進むとこの一帯、珍しい野草も多い。黄色のプリムラ・ベリスが目に入る。和名ではキバノクリンザクラという呼ぶサクラソウである。また、その側にケマンソウの様な白花と赤紫色の花を見つけた。後でガイドさんに聞くとヤブケマンと言う野草だと言う。日本で見るケマンソウと比べると花が一回りか二回り大きい。