散歩道の花

「クンシランが咲きましたね。少し早めですね。」と栽培している方に話してからかれこれ１ヶ月は経ってしまいました。
今まであまり詳しくこの花について調べたこともなかったのですが、ネットに載っている記載でクンシランとはクルビア・ノビリスnobilisと種名がついているようにノーブル。高貴な花です。これが語源になって後に詳述する様に君子ランと名がついたのだそうです。このクルビア・ノビリスは、写真を見ると花が下向きに咲きます。しかし、私たちが目にするクンシランは、今回写真を載せたのものを含めて上を向いて花が咲いています。これは、最近栽培されるようになった種類でクリビア・ミニアタと言う別種だからです。元祖のClivia nobilisは、南アフリカが原産地で、１８１０年にイギリスの探検家で自然科学者だった William john Burchell(1781-1863)によって発見されました。その名は、１８世紀、英領インドの総司令官だったRobert Cliveの孫娘で、イギリス王室とも近かったLady Cliveに、英国の植物学者ジョン・リンドリーによって献名されたものです。まさに高貴な花と名付けた理由がが分かります。彼女はイギリスで最初にクンシランを栽培し、かつ花として飾った人だと言われています。このクンシランは、非常に成長速度が遅く出芽してから開花すまで少なくとも６年はかかると言われています。そのためでしょうか別種のクリビア・ミニアタ・Clivia miniata が登場し、広く栽培されるようになりました。従ってこれはウケザキクンシランと呼ぶのが正しいのですが、今ではクンシランと呼ばれるのが普通になっています。同じく南アフリカケープ地方が原産地です。
学名はクンシラン・ノブリスは、Clivia nobilis Lindl.リンドリーが１８２８年報告ですが、ウケザキクンシランは、Clivia miniata Regelと言うRegel１８６４年報告もありますがこの学名は受理されていません。Tropicos ではClivia miniata (Lindl.) Bosse が正しい学名になるようです。Regelの上記の報文でもClivia miniata lindlのみが載っています。ヒガンバナ科(2017.06.05 )
1)Lindley, John ： Botanical Register; consisting of coloured . 14: , pl. 1182. 1828. (Clivia nobilis Lindl. )
2)Regel, Eduard August von :Gartenflora 13: , p 131. 1864.(Clivia miniata lindl.)
3)Bosse, Julius Friedrich Wilhelm: Handb. Bl.-Gärtn, ed. 3 1: 768 (1859). (Clivia miniata (Lindl.) Bosse)